HACCPとは「HazardAnalysisandCriticalControlPoint」の略語で、食品を製造する際の安全と衛生を確保するための管理手順方法を指します。
元々は1960年代に宇宙食の安全性を確保するために米国の各機関によって構想された基準で、その後1973年に米国食品医薬品局が缶詰食品の製造基準として取り入れたことがきっかけで、世界中に普及した経緯があります。HACCPを導入するメリットには、働く社員の衛生管理に対する意識の向上と、製品に不具合が発生したときの原因解明及び改善対策が迅速に行えるようになることがあり、そのため事故や不具合の発生率の減少、クレームなどが少なくなることが挙げられます。
更に、生産性が向上することで利益拡大に繋がるとともに、企業のイメージが良くなり顧客からの信頼度が上がるというメリットがあります。食品を製造する会社がHACCPを導入するためには12の手順を踏まなければならないとされており、中でも手順6から12までは特に重要であるため「7原則」とも呼ばれ、製造部門にHACCPに関する専門的な知識を持つ人がいない場合には、外部から専門家を招いて実施する必要があるなど簡単には導入できません。
しかし、世界的に導入する企業が増加する傾向にあり、既に米国やカナダなどでは義務化されているため、義務化対象国に輸出する場合には、輸出先国が求めるHACCPに対応することが必要となっていることから、日本でも導入する企業が増加しています。
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